温度をデザインする サプライズがある器
美濃焼の産地で生まれた大ヒット食器
1300年以上の歴史を誇る美濃焼の産地、岐阜県多治見市。この地から生まれた大ヒット商品が「冷感桜シリーズ」です。冷たい飲み物を注ぐとグラスにフワッと桜の花が色づき、誰もがときめくサプライズな仕掛け。温度の違いで色が変化する斬新な発想が反響を呼び、SNSを中心に海外でも話題になっています。
誕生のきっかけはコロナ禍
手掛けたのは明治20年創業の「丸モ高木陶器」。ホテルやレストランで使われる業務用の食器を主に生産してきましたが、新型コロナの影響で飲食店の閉店が相次ぎ、受注が激減。一時は売り上げが5割ほど減ってしまったそうです。そこで一般家庭向けの商品開発に取り掛かり、5代目社長の高木正治さんが考えたのが「器に"温度が視える"機能が加わったら面白いのでは」というアイデア。このひらめきから生まれた「冷感桜」の盃が、家呑み需要と相まって「自宅で花見気分が味わえる」と大ヒットしました。
日本の美しい四季を表現
桜から始まった「冷感シリーズ」、現在はバリエーションがさらに充実し、日本の美しい四季を表現。春の桜、夏の花火、秋の紅葉、冬の雪景色…それぞれの季節を象徴する柄が描かれています。器の種類も盃に留まらず、冷酒グラスや薄口のタンブラーなどさまざまな用途に合わせたアイテムが揃っています。
心もカラダも温まる 温感シリーズ
「冷感シリーズ」に続いて登場したのが「温感シリーズ」。こちらは温度が45℃以上になると色が透明になる顔料を使用していて、温かい飲み物を注ぐと黒猫のシルエットが可愛い花柄に。ほっこり癒される仕掛けに心もカラダも温まります。
ビールが夕日の景色を生み出すグラス
画期的な器を次々に生み出している「丸モ高木陶器」のアイデアは“温度”だけにとどまりません。「夕日を眺めるグラス」はビールを注ぐことでグラスに描かれたシルエットが夕日に浮かび上がるように考えられた斬新なグラス。いつもの晩酌を特別な時間に…ビールを飲みながらちょっとした旅気分も味わえます。
「温度をデザインに」 45℃以上で変化する楽しい仕掛け
45℃以下で透明になる特殊な顔料を使用し、黒い顔料が消えることで下地の柄が出てくる仕組みです。常温になると再び黒のシルエットに戻り、繰り返し楽しめます。
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